退任・退職のあいさつ
愛知県教職員の人事異動が、昨日、新聞発表されました。私ごとで恐縮ですが、60歳役職定年となり、本日をもって、半田小学校を去ることになりました。令和2年4月に着任してから5年間、保護者の皆様、地域の皆様には、たいへんお世話になりました。半田小学校への厚い温かいご理解とご協力に、衷心より感謝申し上げます。
5年前の4月、音声放送による始業式を行い、令和2年度がスタートしたものの、その翌日から、5月末日までの臨時休業・・。
半田市の名を冠する半田小学校、歴史と伝統のある半田小学校への異動が決まった時、身の引き締まる思い・重圧感を、ひしひしと感じるとともに、前任校で、校長職として取り組んできたことを改めて見直し、さまざまな面で、ブラッシュアップをと考えていただけに、出鼻をくじかれたようなスタートでした。それでも、前任校においても取り組んできた「ホームページの積極的な発信」に、力を入れて取り組み始めました。
「学校が再開したときに備えて、この状況の中でできることを精一杯行っている先生たちの様子」「児童に向けた学年の先生からのメッセージ」「臨時休業中の子どもたちの学習を支援しようと、さまざまな機関が立ち上げた、学習支援サイトの紹介」など、長い期間、家の中で過ごすことを強いられている児童の、心と体の健康状態を心配し、臨時休業中だからこそ、発信していかなければとの思いでした。
6月に学校が再開し、児童が登校するようになると、ようやく、児童の様子をアップすることができるようになりました。撮った写真の中には、子どもたちがじゃれ合って、かなり密な状態で写っているのもありましたが、保護者や地域の方から、「密じゃないか」と指摘されないように、ホームページに載せるのは、ある程度、距離があるものを選んでいました。載せる写真の選定に当たっては、「これくらいなら大丈夫かな」「もう少し近づけても、指摘されないかな」と、少しずつ、子ども同士の距離が近い写真にしていったことを思い出します(最後なので白状してしまいます)。その年は、ほとんどの学校が、バス乗車による校外学習を見送る中、本校は、全学年、バスに乗車しての校外学習に出かけました(尾張校長会の役をやっていて、専門家の方とお話しする機会があり、「換気が一番大切」「バスは、換気の機能が備わっているから大丈夫」というお話でしたので。当時、世間一般では、接触感染という認識でしたが、その専門家は、その当時から、接触感染は、ほとんどなく、空気感染、飛沫感染だと話されていました)。修学旅行についても、緊急事態宣言が2日目に発出されることが、ほぼ確実視されていたにもかかわらず、市教委と相談した上で、出発をし、2日目は、予想通り発出された、緊急事態宣言の中、ガラガラ状態の京都を分散研修したことを思い出します。きっと、不安な気持ち、心配な気持ちを抱えられていた方も、多くみえたことと思いますが、ご理解ご協力をいただき、本当にありがとうございました。
その後も、コロナの状況に応じて、次々、変更されながら降りてくるガイドラインを熟読し、学校内での対応を定め、保護者の方や地域の方に、ご理解いただけるよう、お便りだけでは伝わりにくいような細かい説明なども、ホームページに載せていたことを思い出します。
この5年間のうち、後半の方は、コロナの影響が薄れ、ホームページでは、純粋に、「児童の様子、学校としての考え・思い」だけに集中できるようになり、とてもうれしかったです。児童の真剣に頑張っている様子・笑顔で楽しそうな様子、学校としての考え・思い、先生たちも頑張ってますという様子などを、保護者の方や地域の方に、見ていただきたい・知っていただきたいという思いでアップしていましたが、ホームページの写真を撮るために教室に入っていくと、どの学年の児童も、「校長先生、校長先生」「これ見て」・・と温かく受け入れてくれて、私自身も、たくさんの幸せを、いつも、もらっていました。感謝してもしきれないくらいの幸せを、皆さんからもらっていました。
児童の皆さん(この5年間で関わってきた、卒業生も含めて)の前向きな気持ちはもちろん、保護者の方、地域の方、先生方など、さまざまな方のお支えで、半田小学校の教育活動が上手く回ってきたこと、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
私の38年間の教員生活、そのうち、最後の5年間を、この半田小学校で、とても楽しくやらせていただき、「全力でやりきったという満足感・充実感」でいっぱいです。これで、退職となりますが、「もう、思い残すことは何もない」といった心境です。(長文、失礼しました。5年間を思い出して書いているうちに、ついつい長く・・)
私は区切りとなり、教職員の異動(新聞に名前の載らない先生や市費の職員の方などもみえます)もありますが、これからも半田小は続きます。今後とも、どうか半田小学校へ、変わらぬご支援、ご理解、ご協力を賜りますよう、お願いいたします。
次年度からは、着任される新しい校長先生のもと、ますます充実した教育活動が展開され、発展していきますことを祈念し、退任・退職のご挨拶とさせていただきます。5年間、本当にありがとうございました。
令和7年3月31日 半田市立半田小学校長 幾世 稔